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よくあるご質問

遺言に関する質問

亡くなった人が遺言書を書いていたかどうか調べることは可能
ですか?

相続の手続きの中でまず最初にやるべきことが遺言書の有無の確認です。遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」と3種類あります。
◆自筆証書遺言
 亡くなった方が自分で書いて自分で保管しているケースが多いので、亡くなった方の貸金庫など保管されていそうな場所を探してください。
◆公正証書遺言
 最寄りの公証役場に行き、検索してもらい、公正証書遺言の有無を確認することができます。平成元年以降に作成された公正証書遺言であれば、全国どこのものでも最寄りの公証役場で調べることができます。平成元年以前に作成された公正証書遺言は亡くなった方が実際に遺言書を預けた公証役場に問い合わせする以外に方法はありません。
◆秘密証書遺言
 公正証書遺言と同じように、遺言が存在するか否かは公証役場で確認できます。ただし、秘密証書遺言は本人が保管しますので、亡くなった方の貸金庫など保管されていそうな場所を探してください。

遺言書を書いた方がよい場合とは?

1.相続人同士の仲が良くない場合
2.特定の相続人に多く遺産を残したい場合
3.法定相続人以外で遺産を残したい方がいる場合
4.配偶者やお子様がいらっしゃらない場合
5.非嫡出子(婚姻届けを出していない男女間に生まれた子)がいる場合
6.内縁の妻がいる場合
7.既に、特定の相続人への財産分与が完了している場合
8.慈善団体への寄付を考えている場合
9.会社の経営者で後継者に事業を引き継いでもらいたい場合
10.財産のほとんどが自宅の土地や建物の場合
その他の場合も考えられます。

 

「妻に不動産を相続させる」という内容の遺言書を作成し、
妻が先に亡くなってしまった場合はどうなりますか?

受遺者(遺言書によって財産をもらう人)が遺言書より先に亡くなった場合、遺言書全体が無効になるわけではありません。死亡した受遺者の部分のみが無効になります。したがって、そのような心配のあるときは予備的に「もし妻が遺言者の死亡以前に死亡した時は、当該財産を○○に相続させる。」と決めておけばよいです。

自筆証書遺言が出てきた場合、どのようにしたらいいですか?

遺品を整理していて自筆証書遺言を発見した場合、まず絶対に開封しないでください。発見した自筆証書遺言は家庭裁判所で「検認」という手続きを受けなければなりません。勝手に開封すると5万円以下の罰金を受けることがあります。
 検認とは家庭裁判所において、「遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続き」です。簡単に言えば、遺言書の偽造や変造を防止するための手続きです。開封してしまった場合、遺言書が必ず無効になるわけではありません。また開封した場合でも検認の手続きが必要となります。ちなみに検認は公証役場に保管された公正証書遺言を除く全ての遺言書に必要な手続きです。
 検認の申し立てをすると、家庭裁判所から相続人全員に「○月○日に遺言書の検認の手続きを行います」という検認を実施する日が通知されます。そして検認の期日に家庭裁判所で相続人またはその代理人の立ち合いのもとに開封します。検認に立ち合わなかった相続人などに対して家庭裁判所は遺言の検認があった旨を通知することとなっており、通知を受けた者が遺言書検認の内容を知りたい場合には、検認記録の閲覧を請求することができます。
 ただし、検認は遺言書の内容の審査をするのではなく、ただ遺言書の存在とその内容を確認するための手続きですので、検認は遺言書が有効であるか否かを判断する手続きではありません。検認の手続きを経たからといって、遺言書に書かれている内容が全て有効なものとして認められるわけではありません。遺言書の内容に法に反するものがあれば、その部分は無効となります。遺言書の有効性に争いがある場合は別途訴訟手続きなどによって解決することになっています。

遺言執行者を指定するメリットは何ですか?

遺言執行者とは「遺言に書かれている内容をそのとおりに実現する人」で、相続人の代理人として、相続財産を管理し、名義変更する者です。
 遺言執行者は必ず指定する必要はありませんが、指定しておいた方がその後の手続きが何かと楽になります。相続人の間の仲がよくない場合、ある相続人に多めに資産を遺したい場合、相続人以外の第三者に遺贈したい場合などに遺言書が書かれることが多いです。遺言執行者の定めがない場合、相続人全員が協力しないと手続きができないものが多く、遺言書の内容に不満をもつ相続人がいると遺言の内容とおりにスムーズに実現されないことも考えられます。以下は遺言執行者が指定されていないことによる不都合な例です。
・金融機関の預貯金口座を遺言書の中で、次男が全て相続すると書いてあった場合に、次男がその遺言書を金融機関の窓口に持って行ったとしても、金融機関は相続人全員署名、実印による押印、印鑑証明書の提出を求めることがほとんどで、次男だけでは預貯金口座を解約できない。

・ある不動産を相続人ではない第三者に遺贈するとの遺言書に書いてあった場合、第三者が不動産の名義を変更しようとしても、相続人全員の印が必要となり、相続人の協力が得られず、名義変更できない。
以上のようなケースを避けるためには、遺言執行者を指定しておけば良いです。
遺言執行者は遺言でしか指定することができません。もし、遺言執行者が指定されていない場合には、相続発生の後に相続人や受遺者から家庭裁判所に対し、遺言執行者の選任の申し立てをすることもできます。
 遺言執行者は、未成年・破産者以外であれば誰でもなれます。相続人や受遺者でも遺言執行者になれますが、遺言執行者は亡くなった方が書かれた遺言の内容をなるべく早く的確に実現するために相続人同士の利害を調整することも求められるので、第三者の法律の専門家にお願いすることも有益です。

遺言書がなく、相続人間でもめている場合はどうしたらいいですか?

家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てることができます。裁判官と調停委員のもとで話し合いが進められ、公平・中立的な立場で解決策を提案します。調停は訴訟のように公開の法廷で争うものではなく、調停室という公開されない部屋の中で実施されます。
 ここでの解決策で折り合いがつかない場合には遺産分割審査手続きに移り、法律に従って裁判所としての判断が示されます。

遺留分を侵害している遺言書は無効になるのですか?

 遺留分とは民法で定められている一定の相続人が最低限相続できる財産のことです。亡くなった人の意思を尊重するために遺言は優先されるべきものですが、家族以外の方に全財産を遺したいという遺言書があり、そのまま履行された場合、残された家族の生活に大きな影響を与えます。民法では最低限相続できる財産を遺留分として保証しています。
 遺留分を侵害する相続分の指定があった場合、その遺言は即無効となるわけではありません。遺留分を侵害された相続人はその遺留分の権利を侵害された範囲内で不足分を取り戻す(遺留分減殺請求権を主張する)ことができます。ただし、遺留分減殺請求を行うかどうかは遺留分を侵害されている相続人が決めることです。よって遺留分減殺請求権を主張しない場合は、遺留分を侵害している遺言書もそのまま有効となります。
 遺留分を請求できる期間は決まっておりますので、注意が必要になります。以下の期間内にしか行使できません。
①遺留分を侵害されている者が相続開始および遺留分を主張すべき贈与・遺贈
 があったことを知った時から1年
②相続開始から10年
上記の期間が過ぎてしまうと時効によって権利が消滅します。
 また遺言の内容で相続分は侵害されていないものの、遺言の内容に不満がある場合には、家庭裁判所を通じて遺産分割調停を申し立てる方法があります。

相続に関する質問

相続登記はいつまでにしたらいいですか?

相続税の申告と違い、期限はありません。仮に不動産の所有者が死亡しても法律上は、不動産の名義変更をする義務はありません。義務がないので、仮に相続登記を放置しておいても特に罰金などがありません。
 ただし、相続による不動産の名義変更を放置した場合には以下のデメリットがあります。
・不動産を売却したり、担保に提供したりできない。
・他の相続人に勝手に不動産を処分される可能性がある。
・後に相続登記をしようとしても、相続登記ができなくなってしまう可能性がある。
・時間が経ってから相続登記をする方が費用が高くなる場合がある。
 以上のように相続登記を放置していると、上記のようなデメリットが発生することがございます。相続登記はなるべく早めに行った方が賢明です。相続登記は専門的な知識が必要になりますので、当事務所にご相談ください。

亡くなった人名義の不動産の相続登記をせずにいきなり売却したり、抵当権を設定したりできますか?

相続登記を省略することはできません。相続した不動産を売却して、買主に所有権移転登記をしたり、金融機関に抵当権設定登記をするためには相続登記をして、一度不動産の名義を相続人の名義に変える必要があります。

相続人の中に音信不通の人がいる場合はどうしたらいいですか?

住所が分からず、連絡の取れない相続人がいる場合、まず行方不明者の現在の住所を特定します。その方の本籍地の市区町村で発行している「戸籍の附票」で、その方の現住所を確認できます。戸籍の附票とは住所の移転履歴を記録した書類で、本籍地ではない市区町村では交付してもらえません。
 もし、その住所に相続人が住んでいない場合、不在者の財産管理人の選任を家庭裁判所に申し立てします。ただし、選任された不在者の財産管理人の権限は財産の保存や管理で、遺産分割協議を行うには家庭裁判所の許可が必要となります。

親は未成年の子供を代理して、遺産分割協議できますか?

夫が死亡して妻と未成年の子供がいる場合、母は子供の代理をすることはできません。子供のために特別代理人を選任しなければなりません。母の意向で極端な遺産分割も可能になり、子供の利益に反するような分割も起こりうるからです。家庭裁判所でその未成年の子供のために特別代理人を選任してもらいます。一般的に親権者が推薦した人が選任されています。そのため未成年者の祖父母、伯父(叔父)、伯母(叔母)が特別代理人になることが多いです。

相続人が海外にいる場合、遺産分割協議はどうしたらいいですか?

 遺産分割を行う際には、相続人全員で遺産分割協議をし、遺産分割協議書を作成する必要があります。遺産分割協議書には、相続人全員の署名および実印による押印が必要となり、印鑑証明書の添付も求められます。
 しかし、相続人が海外に住んでいる場合、その相続人は署名と押印ができたとしても、日本に住民票がありませんので印鑑証明書を添付できません。印鑑証明がなければ押印が正式なものであると証明できませんので、遺産分割協議書は無効となってしまいます。
 そのようなときは印鑑証明書に代わって「サイン証明」を利用することになります。サイン証明とは、海外在留で日本に住民登録をしていない方に対し、日本の印鑑証明書に代わるものとして発給されるもので、申請者の署名および拇印が確かに領事の面前でなされたことを証明するものです。
 具体的な手続きとして、遺産分割協議書を外国にある日本大使館や総領事館に持参して、領事の面前で署名することでサイン証明を発行してもらえます。
 また海外にいる相続人は「サイン証明」以外に「在留証明書」が必要になります。こちらも現地の日本大使館や総領事館に発行してもらえます。

相続人の中に認知症の方がいる場合、遺産分割協議はできますか?

相続人の中に認知症などで判断能力に問題がある人がいる場合、遺産分割を行うことはできません。このような場合、「成年後見制度」を利用して遺産分割を行います。遺産分割協議をすることは相続人のその後の人生に大きな影響を与えます。判断能力に問題のある人が参加した遺産分割協議は、後で取り消されたり、無効になったりする可能性が大いにあります。
 まず家庭裁判所に成年後見人を立てる手続きをします。その際に、医者の診断書や鑑定書も提出します。家庭裁判所はその診断書や鑑定書を参考にし、判断能力に応じて、成年後見人、保佐人、補助人のいずれかを選任します。その選任された者が認知症の相続人に代わって、遺産分割協議をします。一般的に後見人には同居の家族、あるいは弁護士などの専門家がなることが多いです。
 なお、成年後見制度を利用した遺産分割協議では、認知症の相続人は法定相続分以上の相続分が確保されることたが多いです。

遺産分割協議の後に遺言書を見つけた場合はどうなるのですか?

遺言書の内容は最大限に尊重されるものであり、法定相続分より優先されるものです。よって相続人全員が遺産分割協議で決めた内容に納得していたとしても、後から発見された遺言書の内容と異なっていれば、遺産分割協議は無効となります。
 ただし、後から発見された遺言書の内容を相続人全員が確認し、相続人全員が遺産分割協議で決めた内容を優先させたいと考えた場合には遺産分割を再度やり直す必要はありません。
 もし遺言の中に遺言執行者が指定されていた場合、再度、遺産分割協議をするか否かは遺言執行者が決めます。遺言執行者が「やはり遺言書を書かれた人の意志を尊重し、遺言書通りに相続財産を分割する」と言えばそれに従う必要があります。反対に遺言執行者が「遺産分割協議も既に終わっており、分割協議の内容に相続人全員が納得しているので、このままにしておこう」と言えば遺産分割協議をやり直す必要はありません。
 ただし、以下の場合には遺産分割協議は無効になり、再度やり直す必要あります。
◆遺言書の中に「第三者への遺贈」(相続人以外の人に財産を渡すこと)
 が記載されていた場合
◆遺言書の中に「認知」(婚姻関係のない男女の間に生まれた子を自分の子
 であると認めること)が記載されていた場合
◆廃除された相続人(遺言を書いた人に財産を渡したくないと指定され
 相続権を奪われた人)が遺産分割協議に参加して場合
この他にも遺産分割協議を再度やり直す必要がある場合があります。

不動産登記に関する質問

建物を新築した場合に何かすることはありますか?

 建物を新築した時には原則、建物表題登記と所有権保存登記を行います。建物表題登記は必ず行う必要があり、所有権保存登記は任意ですが、後々のことを考えて所有権保存登記を行うことがほとんどです。
<建物表題登記>
 建物が新築されると建物の所有者は1か月以内に建物の物理的状況(所在・種類・構造・床面積および所有者の住所・氏名)を公示するために行います。建物表題登記をすることで、登記記録の表題部となり、この時点での所有者が誰であるかは一応、記載されます。建物表題登記の場合は1か月以内に登記しないと10万円の過料(罰金)を設けられておりますので、ご注意ください。
<所有権保存登記>
 所有権保存登記とは、所有権の登記のない不動産についてはじめてなされる所有権の登記のことです。誰が所有者であるかを明確にするために行います。所有権保存登記によって登記記録の甲区欄ができ、この保存登記を基礎として売買や相続といった所有権の移転や抵当権の設定・抹消といった不動産の権利変動に関する登記がなされます。逆に言えば、所有権保存登記をしない売買や相続、抵当権の設定などができませんので、ほぼ必ず、所有権保存登記を行います。所有権保存登記は原則として、表題部に所有者として記載された者が申請します。

不動産を売買した際に何かすることはありますか?

不動産を売買の際には所有権移転登記を確実に行うことを推奨します。所有権移転登記は義務ではありませんが、確実に所有権を主張するためには登記が必要になってきます。
 不動産登記には、登記をした者が、第三者に対して自分の権利を主張できる「対抗力」があります。例えば、Aさんが所有する土地をBさんとCさんに同時に売却した場合、原則として登記を先にした者が所有権を主張できます。
 また不動産を贈与した場合にも、所有権移転登記を確実に行うことを推奨します。たたし、1年間に110万円を超える贈与を行った場合には原則、贈与税を納める必要があります。贈与税の税率はかなり高いため、不動産の贈与となると、高額な贈与となるため、後から多額の贈与税を請求される可能性がありますので、ご注意ください。

住宅ローンの借り換えの際に何かすることはありますか?

 借り換えとは、現在借りている住宅ローンより金利の低い住宅ローンを新たに借りて、元の住宅ローンを一括返済することです。住宅ローンの場合には抵当権が設定されていることが多く、そのような場合に借り換えにする際に、前の金融機関の抵当権抹消の登記と借り換え先の金融機関の抵当権設定の登記の両方の手続きが必要になります。住宅ローンの契約当初から住所が変わっている場合には、住所変更の登記が必要になる場合もあります。
 借り換えは一般的に「住宅ローンの残りの期間が10年以上、住宅ローンの残りの残高が1000万円以上、住宅ローンの金利差が1%以上」という条件を満たしている場合に有利とは言われています。ただし、借り換えの際には、様々な諸費用(印紙税、保証料、事務手数料、抵当権設定費用、抵当権抹消費用など)がかかりますので、諸費用も考慮して借り換えの効果があるか否かを判断する必要があります。

住宅ローンを全額返済したのですが、何かすることはありますか?

 金融機関にて住宅ローンの借入をされた場合、不動産に抵当権が設定されること多いです。不動産に設定された抵当権は、住宅ローンの全額返済により効力を失いますが、抵当権の登記が自動的に消えるわけではありません。抵当権抹消の登記を司法書士に依頼するか、あるいはご自身でやることになります。いずれにせよ、抵当権抹消の登記をなるべく早く済ますことをお勧めします。抵当権抹消の登記を行わず、長い間放置しておくと、不動産の所有者の相続や金融機関の合併などの理由から、必要な書類が大きく変わることも考えられます。 

権利証と登記識別情報はちがうのですか?

 平成18年までは不動産の所有権を取得して登記を完了すると、法務局から権利を取得した人に対して登記済権利証(いわゆる権利証)が交付されておりましたが、現在は登記済権利証を交付する代わりに「登記識別情報」が通知されることになりました。登記済権利証も登記識別情報も、所有権の真実性を証明するものです。既に交付されている登記済権利証は有効で引き続き使えますので、大切に保管してください。盗難にあったり、紛失したりしても、登記済権利証の再発行はされませんのでご注意ください。
 登記識別情報は12ケタの数字とアルファベットで構成された暗証番号です。従来の登記済権利証と同じ役割を果たします。登記識別情報も登記申請の際に、登記名義人であることの資料証明の1つとして法務局に提供する情報です。この登記識別情報はシール又はフラップによって保護されていますが、もし第三者に見られたりして、情報がもれてしまうと従来の登記済権利証が盗まれたことと同じことを意味します。よって登記識別情報のシール又はフラップは剥がさないで、大切に保管してください。
 一般的に登記済権利証や登記識別情報の提出を求められるのは、所有者にとって不利な登記を申請する際です。所有者にとって有利な登記(抵当権の抹消登記など)の申請には登記済権利証や登記識別情報の提出は不要です。すべての登記申請の際に、登記済権利証や登記識別情報が必要なわけではありません。

権利証、登記識別情報を紛失した場合はどうしたらいいですか?

 まず、登記済権利証や登記識別情報を他人に奪われたとしても、それだけで所有権を失うことはありません。所有権を移転するには、登記済権利証(または登記識別情報)以外に、実印による押印、印鑑証明書が必要になります。
 したがって、登記済権利証(または登記識別情報)のみを奪われたとしても、所有権は移転しませんが、もし、不安を感じるようでしたら、法務局に「不正登記防止の申立」を行ってください。申立後、3ヶ月以内に何らかの登記が申請されると、不正登記防止の申し立てをした者に通知され、不正な登記を防止することができます。ただし、3ヶ月の間だけという時間的な制約もあり、万能な対策ではありません。
 不動産を売却する際には、売主が本当にその不動産の所有者であることを証明するために登記済権利証(または登記識別情報)が必要になりますが、それを紛失している場合には、一般的には以下の2つの方法でもって手続きをとります。
◆本人確認情報の提供制度
 登記申請の代理人(司法書士など)が登記の申請を行い、売主が真正な不動産の所有者であることを確認し、その旨を法務局に提供する制度です。
◆事前通知制度
 法務局から登記をする前に売主に対して、「本人限定受取郵便」により登記申請があった旨の事実を通知されます。申請内容が事実であれば、通知を受けた売主は2週間以内に実印を通知書に押印し、法務局に通知書を返送する制度です。
※当事務所では、不動産の売却の際には、「本人確認情報」を使うケースが多いです。本人確認情報はすぐにでも発行できて、確実に登記を行うことができるからです。「事前通知制度」で通知書を返送しなかった場合には登記申請が却下となり、名義を買主に変更できなくなります。

不動産の持ち主の住所・氏名が変わった場合、どうしたらいいですか?

転居や婚姻により不動産の持ち主の住所や氏名に変更があった際の変更登記の申請は義務付けられていません。登記簿がそのまま旧住所・旧姓であっても直接的な弊害はありません。ただし不動産の売買や贈与による所有権移転登記や抵当権抹消登記を変更する場合には不動産の持ち主(所有権登記名義人)の住所や氏名の変更登記が必要になります。また固定資産税の課税通知書は役所が現住所を把握していなければ、登記簿上の住所(旧住所)に郵送されますので、変更登記手続きをお勧めします。

商業登記に関する質問

株式会社は一人でも設立できますか?

一人でもできます。平成18年5月より、会社法が施行されました。会社法施行の前に株式会社を設立にするには4名以上(取締役3名、監査役1名)いなければなりませんでした。しかし会社法により1名でも株式会社の設立が可能になりました。
一人でも設立した株式会社でも後から取締役や株主を増やすことができます。
 会社法により、有限会社のような株式会社が設立することで可能になりました。 

有限会社は設立できなくなったのですか?

 会社法の施行により、有限会社のような株式会社を認めたので会社法施行の後には新たに有限会社を設立することはできなくなりました。ただし、会社法施行の前から存在していた有限会社は、特例により「有限会社」の商号を引き続き名乗ることができ、従来通りの規律(決算報告の義務がない、役員の任期が無期限など)の適用をうけることができます。
 また有限会社から株式会社に変更することが可能です。その際には定款の変更と登記が必要になります。会社法施行前は、有限会社を株式会社に変更するのに純資産要件(貸借対照表上の純資産は1000万円以上が必要)がありましたが、改正後には純資産要件がなくなり、比較的簡単に株式会社に移行することができるようになりました。

どんな商号でもいいのですか?

類似商号規制がなくなり、基本的にはどのような商号でも問題ないのですが、同一所在地においては同一商号の使用は認められていません。また一般的によく知られている商号を同一事業の目的に使用することも禁止されており、これに違反すると場合によっては損害賠償請求をうける恐れがあるので、注意が必要となります。

役員変更の登記はいつまでやる必要がありますか?

会社法施行前、株式会社の取締役は2年ごと、監査役は4年ごとに役員変更の登記が必要でしたが、現在、株式会社は定款で定めれば10年まで役員の任期を伸ばすことができます。そして定めた任期の都度、株主総会で役員の改選を決議し、選任された役員は2週間以内にその登記をする必要があります。
 任期を忘れて選任決議をしなかった場合、役員変更の登記を忘れて登記をしなかった場合は、裁判所から過料(罰金)を請求されることもありますので、ご注意ください。任期が短いと役員変更の登記費用を多く負担するというデメリットもありますが、会社にとって好ましくない取締役がいた場合に任期が短いと早いタイミングで会社を去ってもらうことができるというメリットもあります。

増資をする場合はどのようにすればいいの?

企業は「資金調達」、「財務状態の改善」、「信用力の向上」など、様々な理由で資本を増加(増資)することができます。資本を増加(増資)する際には法務局への登記が必要になります。
 ここでは株式会社の増資について説明します。株式会社が増資するには「現金出資」による方法と「現物出資」による方法などがあります。よく利用されるのは前者の「現金出資」による方法です。「現金出資」による方法は株主割当増資、第三者割当増資などがあります。
・株主割当増資(新しく発行する株式は現在の株主の持ち株割合に応じて
        平等に発行する場合)
・第三者割当増資(現在の株主以外に新たな出資者が参加する場合、
         新たな出資者はいないが現在の株主が出資し持ち株
         割合が変わる場合)
現金出資による増資の手続き
(1)募集事項の決定
    株主総会または取締役会で募集事項を決定する。
(2)株主への通知
    募集株式の申し込み期日の2週間前までに各株主に対して、募集株式
    に関する事項を通知しなければならない。
(3)株主から募集株式引受の申し込みを受ける
    募集株式の引き受けを希望する株主は申し込みを行い、会社は株式の
    割当てを行う。    
(4)金銭の払い込み
    募集株式の引き受ける株主は会社名義の預金口座に払込金額の全額を
    払い込む。
(5)法務局に登記
    本店所在地管轄の法務局に募集株式の発行による変更登記を申請。

 

株式会社の事業経営を終えるには?

諸事情により株式会社の経営を止めるには、株主総会の決議によりまず「解散の登記」をします。解散によって事業活動を停止します。同時に「精算人の選任登記」も併せて行います。そして、清算人が会社に残った財産を処分(未回収の債権の取り立て、未払いの債務を支払い、残った財産を株主に分配)し、清算の手続きが完了すると株式会社が正式に消滅することになります。最後に「清算結了登記」を行い、全ての手続きは終わります。
 <解散から清算までの全体の流れ>
(1)株主総会による解散の決議
(2)清算人の選任・就任
(3)解散の登記・清算人の選任登記(解散の決議の日より2週間以内)
(4)財産目録・貸借対照表の作成(解散の日時点のもの)
(5)官報に解散の広告(2か月以上)
(6)残余財産を株主に分配
(7)株主総会で決算報告の承認
(8)清算結了登記(決算報告の承認日より2週間以内)
 なお、特例有限会社の解散・清算の手続きもほとんど同じ流れになります。

 

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